影刃 仲合、同盟会話
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仲合物語
武者初心
無剣:……うん?
後ろで誰かが私の名前を呼んだ気がするので、振り返って見てみると、影刃が恐る恐る私を見ている。
無剣:影刃じゃない。何か用?
私は笑顔を見せながら優しく言った。
影刃:えっと……
影刃:ぼ、僕は……
影刃:僕は、あなたがすごい人だと思っています、だから技を教えてくれませんか!
私はまさか影刃がこんなことを言い出すとは全く考えておらず、少し驚いた。すぐに返事をもらえなかった影刃は顔を伏せ、ためらい ながらもう一回聞いた。
影刃:いい……ですか?
無剣:当然だ。
私は頷いた。
無剣:ついて来て。
私は影刃の手を引き、彼を剣閣の庭に連れて行った。影刃は髪で隠しているけれど、それでも彼の喜びを感じ取ることができる。
無剣:暉刃から聞いたわ、あなたたちは最近、新しい技を練習しているんでしょう。見せてみて。
「暉刃」と聞いて、影刃はすぐ顔を引き締めた。素早く庭の中央に行き、体勢を構える。
影刃:は……始めます!
影刃は手の中から武器を振り出した。片方の鴛鴦鍼は空中でいくつか綺麗な弧を描いたが、技の最後に体勢が崩れた。
無剣:危ない!
影刃:っひゃ!
私はすかさず影刃のそばに駆けつけ、彼が地に倒れる前に彼の体を支えた。
影刃:ありがとう…
影刃は落ち込んで顔をしかめている。私は彼を隣の石の椅子に座らせ、肩を軽く叩いた。
無剣:武者は必ずしも強く、速く、激しくなる必要はないが、魂は必ず必要だ。
影刃:……魂?
無剣:そうよ、影刃。あなたは最初、何のために武術を学び始めたの?生存…挑戦…それとも誰かを守るため?
影刃:はい…
無剣:いますぐ答える必要はないわ。
無剣:技に魂を込めれば、あなたは段々強くなる。
影刃:僕には、まだよくわからない……
影刃:でもありがとう、無剣……
無剣:心配しないで、あなたもすぐに分かると思う。焦る必要はないわ。
武者の決
無劍 声の出処を探してみると、見覚えのある姿が見えてきた。
無剣:影刃?
気付かれた後、影刃は慌てて私の方を見て、また頭を下げた。その時、私は彼が目に涙を浮かべているように見えた。
無剣:どうしたの?
影刃:なんでもない……
無剣:怪我でもしたの?それとも暉刃が……
影刃:う…
影刃はうつむいて泣いた。私は彼の背中を軽く叩いた。
影刃:兄さん……兄さんみたいに……僕はいつになったら……兄さんみたいに強くなれるのか…
無剣:影刃は今でも十分すごいよ。
影刃:まだ……まだ足りない……今日の鍛錬でも兄さんについていけなかった……
無剣:(鍛錬する時に足並みを揃えていないのか?)
無剣:影刃は何故お兄さんについていけないの?
影刃:僕は兄さんより弱いから……
影刃:この前、あなたが僕に出した問題は、今でも答えが分からないし……
影刃:僕は本当にダメなんだ……
影刃:う…
無剣:そうじゃないと思うよ。
無剣:私は、影刃はすごいと思うし、それにいつも努力していると思う、ただ……
無剣:決意が足りない。
影刃:決意……?
無剣:これはあなたの技に足りないものよ。あなたは技を出す時、必ず目の前の敵を倒すことを考えている?
影刃:でも、目の前にいるのは本当の敵じゃないし……
無剣:もしある時、強い敵があなたと暉刃の前に現れたら、あなたはどうする?
影刃:兄さんを連れて逃げる……
無剣:ふふっ……」
無剣:確かにそれも一つの策ね。
無剣:けど、もし戦わなければならない時は、影刃は敵を倒す必要がある。そうすれば兄さんも守れるし、あなた自身も守れる。そうでしょう?
影刃:戦わなければならない時……他人を守る?
影刃は顔を上げて私を見る。
影刃:僕……僕わかったよ……
武者の勇
戦いの始まりを告げる角笛が響き渡る。私たちが剣塚の外に出ると、敵は既になだれ込んできていた。
魍魎:オオオオオオオ――
私は剣を握り締め、仲間たちと一緒に戦場に赴いた。影刃は今までこのような経験がなく、ただ武器を構えて私の後ろに付いてきている。どうしたらいいのかがまるで分かっていない。
影刃:僕は……僕はどうしたらいいんだろう……
無剣:影刃、私の側を離れないで。
影刃は戦場の残酷さを知らない、私も油断しないように気を引き締めた。周りには血が飛び散り、屍だらけになっている、仲間達は強いと言えども、皆怪
我を負った。
角笛がまた鳴り出した。私は暫く休息をとり、再び戦陣に行こうとした時、小さな手に服を引っ張られた。
影刃:僕も……僕も皆の役に立ちたい……
私は顔を影刃に向け、彼に向かって笑った。
無剣:影刃がここに慣れてから、皆と一緒に戦いましょう。
無剣:あと、今回のあなたの任務は、私を守ることよ。
影刃:本当?
彼の透き通る目が喜びで満ちた。
影刃:僕があなたをちゃんと守ります!
戦いが再び始まった、魍魎達は疲れを知らず剣塚を攻撃し続けている。戦いが長引き、剣塚からの援護も次第に弱くなっていく。
二つの部隊が交代する際、一群れの魍魎が側翼から正面に向かってきた。
私が動こうとした瞬間、隣にあった人影が一瞬で光となり敵陣に切り込んだ!
無剣:影刃!
影刃:退け!退け!
影刃:僕は約束しました、絶対無剣を守ります!
無剣:……影刃?
あの小さな姿が魍魎の群れの中で戦っている、叫び声の裏には泣き声も混ざっている。
影刃:お前らみたいな化物が無剣に近づくな!
影刃:う…
影刃の刃が動く度に、周りの魍魎は切り裂かれていく。
影刃の外套と顔は明るい血の色に染まっている。彼が私の方に向かってきた。
影刃:……怪我はありませんか?
影刃:僕は……ちゃんとあなたを守れましたか……?
武者の魂
こんな時間に訪れるのは誰だろうと思っていると、扉の外から声が聞こえた。
影刃:ぼ、僕です。
無剣:影刃? どうぞ入って。
影刃は扉をわずかに開き、その隙間から部屋に入った。
無剣:何か用?
影刃:はい……あなたに贈りたいものがあります……
無剣:ほぉ?
私は興味深げに目の前の影刃を見ている。彼は両手を背中に回して、何かを隠しているようだ。
無剣:私に贈りたいものって?
影刃は答えずに、背後に隠していた手を前に出した。
彼の手の中を見ると、そこには金糸で編まれ、結びと流蘇がついたお守りが1つあった。
影刃:ぼ、僕が作ったんだ……
影刃:……気に入ってくれるといいんですが……
無剣:影刃の声は段々小さくなり、最後のほうは微かにしか聞き取れない。
無剣:これ、私にくれるの?
彼の手からお守りを受け取ってよく見てみると。このお守りがとても丁寧に編まれていることが分かる。そしてお守りの上には「守護 」という二文字の意匠が施されている。
影刃:うん……戦いは……危ないから……
影刃:僕は……いつもはあなたの側に居てあげられない。
影刃:もし……もし僕があなたの側にいない時は、必ずこれを身に付けてください!
影刃:約束、してくれませんか?
影刃の顔には隠しきれない不安が満ちている。それでも、彼は顔を上げて、真っ直ぐに私を見つめた。
私は彼の頭を撫でた。
無剣:うん、約束するよ。
影刃:やった……
影刃は私が見たことない笑顔を見せた。
その笑顔は心の底からきているもの。何の恐れも恥じらいもなく、真冬の氷を春の水に変えるような力を持っている。
影刃:僕は必ずいつか、あなたと一緒に戦えるくらい強くなってみせる。
影刃:僕はずっとあなたを守りたい!
無剣:分 か り ま し た 。
無剣:その日の為に、私と一緒に頑張りましょう。
同盟会話
○○の影刃:兄さんが残ると決めるのなら……ぼ、僕も……
○○の影刃:だ、だめだ……昔の僕はいつもこうして兄さんにべったりくっついて……
○○の影刃:僕が剣塚に残るのは……もっとたくさんの人たちを守るためだ……
○○の影刃:ぼ、僕は一人でも戦えるけど……
○○の影刃:兄さんがそばにいないと……
○○の影刃:本当の力を発揮できないよ……
○○の影刃:兄さんは僕を守るために……ずっと頑張っている……
○○の影刃:僕も兄さんの足を引っ張らないように……
○○の影刃:修行、頑張らなきゃ。
判詞
二句目 闇から逃げ出し光を見ようと信じている
三句目 目に映る花が乱れても涙流さずに
四句目 ずっとそばにいる人ほど一番情け深い
五句目 凄腕で世の中を味わってきたが
六句目 いつも世間の埃を避けようとした
七句目 いつか家に戻れる日を思い
八句目 翼を広げて山々を飛び越えよう
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