青光 仲合、同盟会話
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仲合物語
不公平を見れば
無剣:青光、どうした?
青光:ん?無剣、あそこの森から変な音が聞こえてこねえか?
無剣:変な音?どんな?
青光:なにか鳴いた声みたいだ。
無剣:まさか魍魎が?行ってみましょう!
青光:よし、急げ!
声に沿って森に入ったが、魍魎の姿がいなかった、
木下にすすり泣いたひとりの少年だけが見つかった。
青光:何者だ?何故ここで泣いている?
少年はとある門派の門弟と名乗り、長い間、兄弟子たちに虐められてきたが反抗する勇気もなく、人のいないところで泣くしかなかったと訴えた。
青光:そんなことが?
嗚咽しながら、少年は頷いた。
青光:この世の間違ったことはオレが正す!
青光:その門派はどこにいる?
このオレがいいつけてやる。
無剣:青光、それは彼ら自身のこと、他者は口を挟まないほうが……
青光:無剣、何バカなこと言っている!
どんな門派だろうと、弱い者いじめは絶対許さない。
青光:彼が黙っている以上、当然知るものは出てこない。
俺まで放っておけば、こいつは一生いじめられるんじゃねぇのか?
無剣:でも何か理由があるかも……
青光:正しいものは正しい、逆にも同じ。それは自然の摂理。
何の理由があろうと、同門を虐める訳にはならねぇ。
無剣:うん、それもそうね。
一緒に行ってもいい?
青光:勝手にしろ。邪魔だけはするなよ。
無剣:わかった!
少年の涙が止まらない、隠し切れない恐怖が顔に現れ、見たものは同情せざるを得なかった。
なぜか突然、青光の気持ちが分かったような気がする。
実は、同行を申し出たのは、物見遊山の為ではない。
その刺々しい性格が、収束できない羽目になるかも知れないからだ。
無剣:行きましょうか。
門派の所在を聞き出し、みんなに事情を説明してから、私たちは出発した。
救いの剣を差す
青光は門番の門生に名乗り、少年の師兄に会うことを要求する。
間もなくして、少年の師兄が姿を現した。
青光:挨拶はいい。
一言だけ聞いてやる:貴様は同門を虐めることが、是か否か?
少年の兄弟子:何者か?いきなり現れて呼び出すとは?
青光:貴様、死にたいのか?質問に答えろ!
少年の兄弟子:死ぬのはそっちのほうだ!ますは俺の剣を聞け!
青光:話になりません!
無剣:ちょっとーー
私の制止に全く耳を貸さず、二人は既に剣を交わした。
寒光が眩く閃き、青光は楽勝した。
相手の剣を飛ばすとその相手は冷や汗が止まらない。
青光:ふん、これで大人しく答える気になったか?
青光:貴様は力に任せて同門を虐めた。
今度は俺が力で貴様をねじ伏せた、まだ逆らうつもりか?
強者を前に、少年の兄弟子は抵抗する気もない、土下座していじめの事実を認めたが、少年の方に非があると弁解した。
青光:ほぉ?非とは?
少年の兄弟子:俺が極上の火玉がはめこまれている精鉄の籠手を持っていた、師から授かったので、
いつも肌身離さず大切にしていた。ある日、やつはそれが見たいと言い出し、俺が快く了承したが……
青光:なんだ?我が物にしようとでも?
少年の兄弟子:そうではないか……
やつは手が滑って片方を谷の底に落としてしまった。
師の不興を買うことを恐れて、だからやつを……
青光:いくら彼に非があっても、いじめることは許さん!
少年の兄弟子:はい……仰るとおりです!
でも俺も仕方がなくて……
もし籠手が見つかれば、もちろんやつのことを許しますとも。
青光:無論だ!
無剣:でも籠手は谷の底に落ちた以上、どうやって見つけ出す?
どうしようもないじゃないか!
青光:この俺がかかれば、簡単なことだ!
無剣:青光……
もし籠手を見つけ出してくれたら過ちを改めると、少年の師兄は固く約束した。
青光:それでいい!籠手は必ず見つけ出す、お前もこれからは同門をいじめな。
無剣:青光、落ち着いて……
青光:オレに構うな!
無剣:腕甲ひとつを広大な山の中から探し出すのは、言うほど簡単ではないわ。
青光:頭に血が上っているわけじゃない。
問題の根本がその腕甲にあるからだ、見つけ出さないと、いずれあの少年はまた師兄にいじめられるだろう。
無剣:一理ある…
山から降り、腕甲探しの旅を始めた。
青光の背中を見ながら、彼みたいな粗暴な人にも他人の知らない一面があるのだと考えていた。
正義は光の如く
だが手がかりは全くなかった。
諦めるべきかと自分は思った。
しかし、青光は疲れを知らず、見つけられるという自信に満ち溢れていた。
無剣:青光、ちょっと休もう。
夜も更けたし、もう目の前のものも見えないよ。
青光:確かにもうはっきりとは見えないな。
少しだけ休むか。
私たちは谷間の巨大な岩の上に肩を並べて座る。
夜の風は格段に寒く、私は思わず震えてしまう。
無剣:夜は冷えるね… このまま、まだ探し続ける?
青光:当たり前だ!
無剣:もし… 見つけられなかったら?
青光:そんなことありえねえ!
腕甲が消えてなくなるわけじゃなし。失くしただけで、どこかに転がっているはずなんだ。
無権:青光、なぜそんなにこだわるの?
あの兄弟子は、いい人というわけではない。そんな人に対して…
青光:無剣、お前が何を言いたいのかはよく分かる!でもオレは、絶対そうはしない。
青光:人に危機が及ぶのを見かけると、絶対助太刀に入る、それがオレの座右の銘だが、悪人相手なら力ずくで何でもして良いというわけじゃねえ。
青光:世の中の不正不平を根絶するには、事件の大元を解決しなければならない。
でなきゃ、一時的な解決になっても、永遠な平穏は決して手に入らねえからな。
無剣:悪人を心から納得させないと、だめってこと?
青光:そうだ!悪人なら問答無用で切り捨てる、それではこちらが悪人となんら違わねえだろう?
青光:人を正すなら、まず己を正すべきだろ。悪人に約束を守らせるなら、まず自分が信義を貫く。
そういうことだ。
青光:ルールを世間に遵わせる前に、自分がそれを守るしかない。
無剣:なるほど…
青光:天地が仁なければ、宇宙万物は犠牲となる。聖人が仁なければ、百姓が犠牲となる。
誰ひとりの例外はない、たとえオレでもだ。
無剣:道を正す前に世の人の鑑になるべき。
それは力が強かろうが弱かろうが、誰でも同じということ…
無剣:そんな考えがあるなら、もっと人に説明したら?
世間は青光がただ好戦的で、力ずくで悪をねじ伏せているとしか見ていない…
青光:オレは一人でこの道を歩んで吉良。他人の同情や理解など必要はない。
それを世間が理解しようががしまいが、オレは気にしない。
無剣:それって、すごく孤独じゃない…
青光:無剣、お前、面白いな…その口ぶりはオレの旧友と似ている。
無剣:旧友?
青光:ああ、この世で唯一オレのことをわかってくれる人だ。今どこにいるのか、わからないんだがな。
青光:それはともかく、
誰も理解せずとも、オレは心の中の正しい道をひたすらに貫く。たとえそれが独りで歩く道でも、恐れない!
無剣:青光……
青光の話を聞きながら、こちらまで心が強く燃えてくる気がした。
無剣:空が明るくなってきた、頑張って探索の続きをしましょう!
青光:わかった!
私は岩のてっぺんに立ち上がって、朝日の方向に身体を向けた。
朝の太陽は力が強い、弱い関係なく、万物を照らす。
私のすぐ目の前で、赤い光がぼんやりと輝いている。
共に前方へ赴く
前とひとつだけ違うのは、彼の傍らにいつも私がいること。
青光:よし、今日も一日一善をなしたな。
さて、帰ろうか、無剣。
無剣:わかった!
青光に助けられた人たちは、私たちにお礼を言いっぱなしだった。彼に懲らしめられた悪党も、もう悪いことをしないと約束してくれた。
無剣:これでひとり悪党がいなくなって、善人が生まれたということね。
青光:こういう風に世直しをし続ければ、悪党がいつか全部いなくなる!
わはははは。
無剣:青光と一緒にいると、悪を倒すとは、悪党を単に殺すことでないとよく分かる。
青光のことを、みんな誤解していたのね。
青光:完全な誤解というわけでもないさ。
悔い改めない極悪人なら、容赦なく手にかけるよ。
無剣:これまであちこちで不正をただし悪党を懲らしめられてきたから、
青光の名を聞くだけで改心する悪党も出てくるぞ。
青光:それだけじゃ足りない。
オレへの恐怖ではなく、本当に改心してもらわんとな。
青光:世の中には星の数だけ悪党がいる。オレたちの道のりは、まだまだ遠い。
無剣:オレたち?
青光:ああ、オレたちだ!
青光:剣塚の件が終わった後で分かった。
オレのことを最初から最後まで分かってくれたのはお前だけだ、無剣。
だからオレの道を理解できるのもお前だけなんだ。
無剣:でも、あなた、前は違うことを...
青光:ああ。確かに前に、もう誰もいらないといった…でも、あの時はお前がいなくなったと思ったんだ…
青光:今は、お前が、間違いなくここにいる…無剣…
無剣:青光……
彼の視線に込められた情熱に、自分の顔が少しずつ熱くなっていく感覚がある。
無剣:では、これからは…オレのことに構うなとか…
無剣:自分が選んだのはたった独りで進む道とか、言わないで。
青光は笑った。あの日で見たあの朝日のように輝くような笑顔で。
青光:やれやれ。どうやら、お前の勝ちのようだな!
青光:今だから、わかる。
どんな道も独りより、二人の方がまったく良いってことだ。
私たちは帰路に着き、みんなとも合流した。
先がどんなに長くても、二人が一緒なら辛いことはない。
私はそう信じてる。
同盟会話
○○の青光:刀剣の輝きに伴って心のままに生きる様はなんと鷹揚であろうか。
○○の青光:しかし剣境に昔のように純粋さはもうない。
○○の青光:今はもう生ける屍だらけ。くだらない限りだ。
○○の青光:木剣は心魄と融合したとはいえ、妖鏡を造るのに力を使いすぎた。
○○の青光:妖鏡計画をお前たちに潰されは今は。
○○の青光:きっとまた新しい力か同盟を探しに行くことだろう。
○○の青光:木剣は邪道に堕ちたが、オレも同じなのかもな。
○○の青光:主人は剣境に帰る約束を守れなかった。
○○の青光:そして剣塚を裏切ったオレは、自らを追放するしかない。
判詞
第二句 堅い性格は変わらない
第三句 従来の志を忘れずに
第四句 何もできずじまいにならないようにと
第五句 雪に覆った剣はなお一層重く見え
第六句 修練に励みようやく悟る
第七句 朝日の光のように遠くの山々まで照らし
第八句 この世の不平を決して許すまい
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