屠龍 仲合、同盟会話
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仲合物語
弱者たるもの
いまだ気持ちは落ち着かない。
みんなだいぶ疲れているようで休んでいる。
私は大きな木の下に座り、
深呼吸をすることで少しずつ落ち着きを取り戻した。
○○:あっ……!
魍魎の爪によってできた傷が、今になって痛み出した。
痛みに耐えるよう声を押し殺したが、
一番近くにいた屠龍には聞こえてきたようで近寄ってきた。
そして傷口を見たとたん、眉を顰めた。
屠龍:お前な…魍魎相手に後れを取るとは…
○○:ごめんなさい……迷惑をかけて。
屠龍:フン、分かればいい。
逃げる際に、私が遅れてしまい、
危うく魍魎の手に堕ちるところだった。
先ほどの光景が脳裏に浮かび、思わず鳥肌が立った。
○○:あなたには天性の強さがあるけど私にはない…
○○:私にもあなたのような力があれば…
屠龍:この世にはいろんな奴がいる、みな同じはずがない。
屠龍:生まれつき強い者もいれば、
努力によって力をつける者、
強さに興味がない奴だっている。
全ては宿命によって定められている。
屠龍:だから何も悩む必要はない。
○○:宿命なんか関係ありません。
私はこれから強くなります。
屠龍:ほぉ?宿命にあらがうつもりか
○○:あらがうんじゃない、
宿命は乗り越えることが出来るのを証明したいだけです。
屠龍:ふっ、あらがうのは宿命ではなく、俺が言っていた「定め」か。
○○:あなたはなぜそこまで自分の宿命を信じられるのですか。
屠龍:俺の宿命か?
屠龍:俺は既に強いが、上には上がいる事を忘れた事はねぇ。
自分を磨き続け、さらに強くなり、
世界最強の剣に挑むことが
俺の宿命ってやつだ。
○○:だから強者とやりあうことにこだわるんですね。
屠龍:そうだ、俺はこの道を歩み続ける。
○○:あの、辛くはないですか?
屠龍:ははははっ!辛い?
これは俺の定めであり、宿命だ。
この屠龍にかかればどんな険しい道も平地にしてやるわぁ!
私は羨望の視線に屠龍に向け話を聞いていたが、
その視線に気づいたのか笑いを止めた。
屠龍:強者になる為なら辛さなんて問題ない。
強くなりたいからこそ覚悟が必要だ。
屠龍:孤独と苦痛に耐える自信がないなら、
大人しく弱者の運命を受け入れろ。
魍魎があふれるこの世界を生き延びるだけでも偉い。
なに簡単だろう?
○○:弱者にとっては、生き延びる事よりも死んだ方がよっぽど簡単だと思いますけど…
屠龍:………………………………
屠龍は不満そうな顔をして私を睨みつけた。
○○:そんな目で見ないでください。
私が言いたいことは生まれつきの強者には弱者の苦労は分からないってことです。
○○:お礼を言うはずが、つまらない事を先走ってしまった。
屠龍:あれこれ言いつつも、結局お前から感謝のかの字も聞いてねぇな。
屠龍:というか。礼を言われる事でもないか。
強くなりたいなら、その女々しい性格を直してからだな!
屠龍は大きな手で力強く私の肩を叩いた。
魍魎によってできた傷に当たりかなり痛い。
○○:あっ……!
屠龍:ったく、また血が出てきたのかよ…
軽く叩いただけなのに、本当に弱いな、○○!
○○:うう…傷口を開いたのは誰のせいですか…
漏れそうになるうめき声を歯を食い縛って我慢した。
強者は、弱音を吐かない。
例え、天性に恵まれなくても、
強者になってみせると心の中で決意した。
強者たるもの
魍魎に昼夜問わず襲われるようになっていた。
どうやら魍魎は疲れを感じないようだ。
でも、私たちには休息が必要だ。
話し合いの結果、魍魎の奇襲を防ぐため
皆でそれぞれ一時間ごとに交代で夜警を務める事になった。
私を除いて、だ。
言われなくてもはっきりと分かる。
私の実力では夜警を務めても、何の役にも立たないからだ。
今日の当番は屠龍。
私はそのまま横になり、焚火の燃える音を聞きながら目を閉じているだけで、
なかなか寝付けずにいた。
屠龍:は――……
屠龍の長い溜息によって、私の眠気は完全に飛ばされた。
彼はどこからか酒を見つけて、一人で飲んでいた。
どうしても寝つけなくて、私は彼の隣に座った。
屠龍:ん?○○?まだ寝ていないのか?
○○:眠れなくて……
それより、何でため息ついてたんですか?
屠龍:ハァ……なんでもない、お前も飲め。
起きてんだろ?折角だから一杯付き合えよ。
○○:あまり飲めませんが……一杯くらいなら……んっ?
屠龍から受け取った杯を、ほんの少し口にした。
思った以上のきつさに、咳が止まらなかった。
屠龍:ハハハハ!お前ときたら、たかが酒くらいで……
○○:ゴホゴホゴホ……笑うことないでしょう!
そういうあなたも、ため息ついてたじゃないですか。
強者のあなたに悩みなんてあるはずないでしょう?
屠龍:俺が弱者の苦労が分からないように、
お前も強者のことが分からないだろう?
強者には強者の悩みがあるんだ。
屠龍:「武林至尊、宝刀屠龍、天下に号令し、従わないものあらず!」
って言葉は江湖に響き渡ったが、
俺がそれで満足しない事を、誰が分かってくれる?
屠龍:だが…いくら鍛えても、なかなか今より上達しねぇ。
達人と手合わせを繰り替えしても結果は同じだ。
この悩みと辛さを、誰が分かってくれる?
○○:屠龍……
屠龍:ハァ……つまらんことだ。
気にするな。
屠龍は酒を一気に飲み干した。
そんな風に悩んでいる彼を見て、
私は勇気を出して自分の見解を伝えた。
○○:屠龍、あなたが長年に修行を続けても上達しないのは、
恐らくあなたに限界があるのかもしれません。
○○:やはり別の方法を探した方が良いのでは?
例えば、心境を変えて……
屠龍:ほぉ?
○○:私には実力もないし経験も浅い。
自分なりの見解を述べただけです。
役に立てば良いのですが、
もし違うなら聞かなかったことにしてください。
私は火照った顔を下げ、
酒を飲んだフリをして彼から顔を逸らした。
彼の視線が怖い。
微笑っだ口元が怖い。
そして何よりも、無反応の彼が怖い。
心と剣を一つにし、心を以て剣を卸し、心で道を示す。
それは私の選択。
その道を、彼だけに否定されたくない。
酒が更に回ってきた。
顔がますます熱くなり、頭がクラクラして視界が激しく揺れ始める。
屠龍:おい!○○!
○○:……………………………
屠龍が何か言っている気がしたけど、何も聞こえない。
芝生がとても柔らかい。
今はただ……眠りたい……
屠龍:はぁ、もうダメか?
まっやく、この俺がこんな弱い奴に諭される日がくるとは。
ハハ!
屠龍:心境を変える、か……おもしろい。
執着というのは
刀を振る屠龍の姿を懸命に思い出す。
屠龍:○○、何をしてるんだ。
突然の声に驚き、
顔を赤くして枝を投げ捨てた。
○○:な、なんでもない。
屠龍:さっきの構え、俺の特異技に似ているな。
まぁ、俺に全く及ばねぇが。
見抜かれてしまった以上、もう誤魔化しても無駄か。
○○:ええ……あなたの、その技を試したい。
屠龍:ほぉ?意外と強気だな。
○○:言ったはず。
いつかきっと強くなると。
屠龍:俺も言ったはずだ。
大人しく生きた方が楽だと。
無理すんなよ。
○○:世界最強の剣に挑む事は自分の宿命だって、
いつも言ってるじゃない。
屠龍:だからなんだ?
○○:私がいつか最強の剣になったら、挑んでくれる?
屠龍は当たり前のように笑った。
屠龍:はははは!
剣もろくに持ち上げられねぇお前がか?
俺に追いつくまで何百年も掛かるぞ。
無理することはないだろう?
面白くないが、全く怒る気になれなかった。
彼が言った事は事実なのだから。
「今」だけ、だけどね。
○○:確かに今は弱いけど、この先も弱いとは限らない。
かつて弱かったからこそ、強いという意味を理解できる。
生まれつき強く、弱者を見下した誰かとは違って。
屠龍:ハハ……「誰か」だと?
だが、わざとじゃねぇ。
そういう宿命を負ったからだ。
○○:前に言ってたこと?
屠龍:ああ、そうだ!
○○:私の宿命こそ、世界最強の剣になれる事かもしれない!
屠龍:宿命を疑ってんのか?前に言ってた事と違うぞ。
屠龍:よし、いつかお前が本当に世界最強の剣になったら、
望み通り俺が正々堂々勝負してやる。
屠龍:まぁ程遠いけどな、ハハハハ!
○○:笑わないで!
屠龍:ハハハハ!
○○:……見ていて。
たとえそういう宿命じゃなくても、宿命に変えてみせる!
屠龍:○○……
なんでそんなにこだわるんだ?
○○:それは……望みをまだ叶えていないから。
屠龍:望み?いつも夢に見ていた剣塚のことか?
○○:……ええ、まあ。
○○:本当に強くなれる日まで、今はまだ言えない。
屠龍:今言えないなら、もう聞かねぇよ。
○○:言えないものは言えないの!
屠龍:ったく女々しいな!
その性格を直さないと、強くなれるわけねぇだろ。
屠龍の文句に耳を貸さず、
先程捨てた枝を上げて素振りを再会した。
いつかきっと……
宿命というのは
心の迷いは変わらないままだ。
私はどこへ行くの?
何のために生きているの?
私の宿命とは一体?
屠龍の意見も聞きたいけれど、
心なしか彼は、最近二人きりになる事を極力避けているように感じる。
○○:屠龍!
屠龍:○○?お前か。
悪いがちょっと用が……
目が泳いでいる彼を見つめ、私は持っている酒ツボを叩いた。
○○:ちょうど上等なお酒があるの。
一杯付き合ってくれない?
屠龍:俺は……
○○:あら、女々しい性格が一番嫌いじゃなかった?
今のあなたみたいに。
屠龍:なんだとぉ?
酒くらい付き合ってやるよ!
ほら、注げよ!
互いの杯を一杯にし、私たちはその場に座った。
意地でも張っているのだろうか、屠龍は酒を一気に飲み干した。
○○:屠龍、覚えている?
私がいつか強くなったら、勝負してくれるって。
屠龍:○○……
○○:強者に二言はないんでしょ?
屠龍:はぁ……分かった。
でも程々にな。
○○:ええ、かかってきて!
まもなく鋭い音が響き渡り、屠龍宝刀が飛ばされる。
屠龍:はは、俺の負けだ。
前から強くなりたいと言っていた、お前の定めなんだろう。
○○:いいえ。剣塚に行く前、
自分が弱者であると一度受け入れた。
屠龍:それなら、なんで力にこだわってるんだ?
○○:それは……前にも言っていたけど、
望みをまだ叶えていないから。
屠龍:もったいぶってないで、その望みってやつを教えろよ。
○○:その前に聞きたいのだけれど、
なんであなたは強くなりたいの?
屠龍:俺にもわからない。ただ導かれるような感じだ。
だがお前の話を聞いて、初めてその理由に気づいた。
俺が強くなりたいのは、「守りたい」からだと。
屠龍:今更言うのもなんだけどな……
○○:そうなのね……
○○:私はそこまで考えていなかった。
あなたの眼中には強者しか入っていない……だから強くなりたい。
そうしないと、あなたにずっと認められないと思ったの。
屠龍:それだけなのか?お前ってやつは……
俺は、お前の事はとっくに認めていたんだぞ。
屠龍:確かに俺は強者しか求めていない。
だが唯一の例外は……お前だ。
○○:それは多分……例外じゃないと思う。
○○:最近ずっと考えていたの。
人間に宿命があるとしたら、
「無剣」としての私の宿命は、一体なんなのかを。
○○:今になって分かるような気がする。
私の宿命は、あなたに出会う事。
屠龍が笑った。
私が微笑んだ彼に、手を差し出した。
同盟会話
○○の屠龍:雨降って地固まるといったような仲間が多いな。
○○の屠龍:武人の交際には真摯さが大切だ。飲み比べ以外の方法は考えられない。
○○の屠龍:酒が弱いならどうしようって?ははは、例外もあるだろうが。
○○の屠龍:実はこの龍の入れ墨、傷跡を隠すために入れたものだ。
○○の屠龍:聖火のやつ、オレを一度救ったからって調子に乗りやがって。
○○の屠龍:やつとの戦いに勝ったら、絶対皆に自慢してやる!
○○の屠龍:暇なときはいつも本を読んで時間を潰している。
○○の屠龍:分からないことがあったら、遠慮せずオレに聞け。今度こそ間違ったりしないから安心しな!
○○の屠龍:「亦余の心の善しとする所なれば、九死すと雖もそれ猶未だ今だ悔いざるがごとし」とは……どういう意味だろうか……
判詞
二句目 その力は人間界でも敵うモノは稀れ
三句目 業火起こして相手を血と骨に化し
四句目 終わりなき血の池で生命を溶かし
五句目 百万の群を率いるも戦いに敗れ
六句目 十人の兵士であろうと欺くべからず
七句目 赤い髪の豪傑よ炎の如く
八句目 武の極みは天の如く高い
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