蛾眉 仲合、同盟会話
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仲合会話
初見の如し
私は目をこすると、目の前で考えごとをしている少年を不思議そうに見つめた。
私はそっと彼に近づいた。
彼は私に全く気付かない。
勇気を出して、私は彼の耳元で大声で叫んだ。
無剣:わっ!!
蛾眉:うわ!びっくりした~、何するんスか!
無剣:ずっとボーっとして…もう二時間も経つけど、一体何してるの?
驚きに固まった蛾眉は、急いで耳を塞いでいた両手を下ろすと、首を横に振った。
蛾眉:な…なんでもないっす。
無剣:本当?
無剣:みんな、あなたが変だって言ってるよ。
おかしな話ばかりして、何を考えているのかも分からないって。
蛾眉:誰がそんなこと…どこも変じゃないっすよ。
無剣:じゃあ、さっき何を考えてたの?
蛾眉:僕は…、今晩何を食べるか考えてたっす。
無剣:本当にそれだけなの?
蛾眉:ん…あと…どうやったら桃花島を離れられるか、考えてたっす。
無剣:桃花島は一年中春みたいに暖かくて、桃の花がこんなにきれいなのに…。
どうして離れようと思うの?
蛾眉:トラちゃんに、外の世界は広いって聞いたっす。
それに…まだ僕が食べたことがない美味しいものがたくさんあるって!
蛾眉:外の世界が本当にそんなに凄いんスかね?
僕は桃花島から出たことがないから・・・
私は手を伸ばして、軽く彼の肩を押した。
無剣:簡単だよ!港に行って船で桃花島からでられるじゃない?
彼は目を丸くして何か重要なことを思い出したように、突然言った。
蛾眉:ハッ!ああーーお腹が減ったっす!今晩のご飯は何にしようかな?
広がる波紋
遠くの海鳥は素早く空を飛び、ヤーと鳴いている。
背後からすたすたと足音が聞こえる。
振り返ると怒りながら歩いてきた蛾眉がいた。
無剣:うわ、そんなに怒って何があったの?
蛾眉:な・・・なんでもないっす。
私は上から下から蛾眉を観察し、怒りで口が尖っている様子を見て、一瞬でくだらない理由なことに気付いた。
無剣:ああ、分かった、また緑と喧嘩したんだね。
蛾眉:誰があんなやつと喧嘩するんスか!全部あいつのせいっす!
蛾眉:あいつは食べ方がひどいんす。米粒を落とすし、水を飲む音がすっごく大きいし。
蛾眉:寝ている間いびきをかくせいで、僕は全然眠れないスよ!
蛾眉:毎回注意すると、桃花島のちびって笑われるし・・・
蛾眉が述べた喧嘩の理由は、
私から見れば本当に小さなことでしかない。
無剣:ハハハ、緑は本当にそんなにひどいの?
蛾眉:そうなんすよ!あいつは本当にいいところが何もないんす。
あるとしたら、やつの得意とする叫化鶏。
無剣:叫…叫化鶏?
蛾眉:そう、噂にされる丐幇の叫化鶏。
見た目はよくないけど、味は絶品らしいんす。でもでも、僕は残念ながら食べたことはないんす。
無剣:食べたことないなら、なんで緑が作れることを知ってるの?
蛾眉:まさか無剣食べたことがあるんスか?
無剣:崑崙山の氷雪の地で、熱々の叫化鶏を一口食べたら、それはそれは本当に・・・
蛾眉は羨ましそうに私を見て、口を少し開いて、舌で唇を舐めた。
無剣:わ…分かった、私を見つめないで!緑に叫化鶏の作り方を聞いてみるよ。いつか貴方に作ってあげるから。
蛾眉:ほ・・・本当スか?約束っスよ!!指切りげんまんっス!
無剣:いいよ、指切りしよう。
私は小指を出して、軽く蛾眉の小指と絡めた。
さっきあのやーと鳴いていた海鳥は突然勢いよくこちらへ飛んできて、海の中にぽんと飛び入り高い波しぶきを上げた。
しぶきを浴びた蛾眉は、髪の水を振り、すっと立ち上がって海鳥を追いかけていった。
蛾眉:戻ってこい、叫化鶏!
無剣:え、待って、なんで私を引っ張るの?
心酔させる桃
風が彼の髪を吹き乱すが、彼は気にせず呆然と遠くを見つめている。
無剣:何を見ているの?
蛾眉:海。
無剣:なんで木の上から見るの?海辺で見たほうがいいんじゃない?
蛾眉:木の上ではもっと遠いところまで見れる。海の向こう側まで見れるかもしれない。
蛾眉:海の向こう側はどんな世界なんだろう?
桃花島とまったく違うかもしれない。
ねえ、砂漠は向こう側にあるんじゃない?
無剣:砂漠は向こうじゃない、砂漠はもっと遠いところにある。
蛾眉:砂漠がどこにあるのか知ってるのか?こっちに来て場所を指差して。
無剣:木に登れないなあ。
蛾眉はポケットから桃花酥を一つ取って、木の上から私に投げた。
蛾眉:桃花酥を食べよう。海を見ながら食べる桃花酥は独特の味があるよ。
無剣:木に登れないと言ったじゃない、海なんて見れるの?
蛾眉:桃花酥を食べたら海が見れるんだ。
無剣:そんなことあるはずがない…
桃花酥を蛾眉に投げ返そうとしたら、遠くから笛の音が聞こえてきた。
蛾眉:あっ、しまった!
無剣:どうしたの?
蛾眉:きっと玉簫兄が僕がこっそり逃げ出したことに気づいて、僕を捕まえて武術の練習をさせるつもりだ。
蛾眉:早く登れ、木の上に隠れたら気づかれない。
無剣:なんで私まで登る必要があるの?
蛾眉:ずぐずぐしないで、早く!
蛾眉は全身を傾けて私に手を差し伸べた。
私は彼の手を強く握り締めて、そのまま木の上に引っ張られていった。
蛾眉は私を胸に抱き寄せて、私は彼が息をしているのを耳元で感じた。
私の世界はこの瞬間で止まったよう、遠くから聞こえる笛の音も突然止まり、
心臓がどきどきする音しか聞こえない。
蛾眉:玉簫兄は行ったようだ。
蛾眉は私の肩を離した。
蛾眉:ほら言っただろう、海を見ながら食べる桃花酥は味がいいって。もう酔ってるじゃないか。
飛び舞う落花
海から見た太陽は何か陸から見たものより大きく眩しい。
無剣:もう行くのか?思い残すことはないのか?
蛾眉:前に貴方は僕と一緒に桃花島を離れると、僕に言ったことがある。
振り返ると、遠くの桃花島がどんどん遠ざかっていく。
海鳥が空を通っって、やーと鳴いている。遠くから笛の音が聞こえてきた。
突然不安といわれのない喜びが心の中に湧いてきた。
日が眩しくて目を開けない。耳鳴りがして、頭もくらくらする。
蛾眉:もう立つことすら難しそうだな、船酔いしたのか?
無剣:こんなにゆっくり進んでるのに、酔うわけがないでしょう?!
急に振り向くと、足を支えられなくなった。
蛾眉:ほら、船酔いしたんだろう?
蛾眉は私の肩を支えて、膝の上に私の頭を乗せた。
顔をあげると、彼の睫毛がキラキラ輝いてる。
彼はまた前のように呆然と遠くを見つめている。
無剣:何を考えている?
蛾眉:今晩何を食べるか考えている。
無剣:本当?
蛾眉:どうやったら桃花島から出られるかを考えている。
無剣:桃花島は一年中春みたいに暖かくて、桃の花がこんなにきれいなのに…。
どうして離れようと思うの?
蛾眉は顔を下に向けて、私の髪にある桃の花を吹き落とした。
蛾眉:桃花島の美しさは全て貴方に持っていかれた。
同盟会話
◯◯の蛾眉:かくれんぼするっす?
◯◯の蛾眉:軽功の造詣は君の方が上だけど、この桃林の迷陣で僕に追いつくことは絶対ないっすよ。
◯◯の蛾眉:奇門遁甲ができない限りはね!
◯◯の蛾眉:虎ちゃんとは江南で知り合ったんだ。
◯◯の蛾眉:剣玉を持ち忘れちゃったとき、彼に貸してもらったんっす。
◯◯の蛾眉:彼は年下だし、背も高くないけど、その実とても頼りがいがのあるやつっすよ。
◯◯の蛾眉:なんで僕はそんなに料理が上手いのかって??
◯◯の蛾眉:そんなの簡単っすよ。
◯◯の蛾眉:島に暮らしていたとき、祝日の行事食はいつも僕が担当していたんだ。
判詞
二句目 桃の木の下でどんなことも語り合っていた
三句目 一度砂漠で心を許し、初めて切なさを知り
四句目 美食と任侠に慕っていた
五句目 人並み以上の賢さを持ちながらも
六句目 純粋で素直な心のままでいた
七句目 花散る頃には既に親も遠ざかり
八句目 舟に乗って海鳥の鳴き声を聞きながら旅に出る
コメント(1)
コメント
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・かくれんぼするっす?
軽功の造詣は君の方が上だけど、この桃林の迷陣で僕に追いつくことは絶対ないっすよ。
奇門遁甲ができない限りはね!0
削除すると元に戻すことは出来ません。
よろしいですか?
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